蜜入りリンゴのおいしさ 糖の量は関係なく香りにあり 農研機構

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「食は五感で楽しむもの」とはよく言われることだが、蜜入りリンゴをおいしく感じる理由は糖の量よりも香りにあることが明らかになった。農研機構と青森県産業技術センターりんご研究所との共同研究によって判明した。

 

蜜入りリンゴと蜜なしリンゴは、成分を調べても糖の量や甘みに差はなく両者の違いはこれまで判明していなかった。そこで、多くの成分を一度に分析できる「メタボローム解析法」という方法で「ふじ」を調べた。結果、蜜入りの「ふじ」と蜜なしの「ふじ」では香気成分が異なることがわかった。香りの成分であるエチルエステル類が風味や美味しさを高めるという。

 

また、人間の感覚による官能検査を行ったところ

・香り 蜜入り>蜜なし

・鼻をつまんでの試食 差なし

・通常の試食 蜜入りは果物や花の香りを感じられてより好ましく感じられる

という結果が出た。

 

narc_20160317_press_f01蜜入りリンゴと蜜なしリンゴの味や香りの差(農研機構「蜜入りリンゴのおいしさは香りにあり」より)

 

果物の「おいしさ」は、糖度などではかられることが多いが、今回の研究を見ると「香り」も重要であることが再認識できる。今後、農研機構は香りに注目してリンゴの栽培・貯蔵・流通技術を開発していく。



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