60日経っても腐らないトマトをゲノム編集により開発 筑波大学

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筑波大学のフードセキュリティーリサーチユニットが、60日経過しても腐らないトマトを開発した。同ユニットは高齢化の進む日本で食糧をいかに持続的に確保するかを見据え、さまざまな研究を進めている。

 

日経カレッジカフェの記事によると、収穫後60日経過しても腐らないトマトはゲノム編集技術により生まれた品種。生物の設計図ともいえる遺伝子を操作することで、通常よりもはるかに長い期間貯蔵できる品種も開発できる。ゲノム編集は遺伝子組み換えと比べて、ピンポイントで遺伝子を操作できるため効率がよいのが特徴。

 

収穫後60日経過しても腐らない。青いままで収穫するのではなく、赤くなるまで待ってから収穫できるので甘みも増す。そんな「日持ちがよい」トマトを筑波大学生命環境系の江面浩教授はゲノム編集で作り上げた。野菜が傷みにくくなれば「気温の高い途上国などでも廃棄の数が減り、世界の食糧不足を解消できる」と江面教授は話す。輸出入も容易になる。

(日経カレッジカフェ「腐らぬトマトで食糧難解消農業変えるゲノム編集」より引用)

 

 

厚労省の調べによると、2055年には75歳以上の高齢者が人口の25%を超えると予想されている日本。筑波大学では、農作業の負担を軽減するための研究も行っている。たとえば、受粉作業がなくてもそのまま果実を作るトマトはその一例。一年中温室で栽培される野菜は、自然受粉が難しい時期や、夏季に温室での長時間作業は困難を極める。受粉作業不要の品種が一般化すれば、植えて病害対策を行うだけで収穫だけという農業が実現するかもしれない。

 

0414502_01右の花は受粉していなくても実が生長している。(画像:筑波大学

 

また、同ユニットは機能性を高めた品種の開発にも取り組んでいる。「フルーツゴールドギャバリッチ」というトマトは、血圧を下げる効果があるといわれるアミノ酸のGABAを多く含んでいる。今後も高齢化に対応した省エネ品種や、機能性を高めたブランド品種を開発して、国内の農業基盤の再構築を目指す。



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