中山間地でも訪日外国人がやってくる 「平田観光農園」の取り組み

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広島県の三次市の平田観光農園は、中山間地域にあるにも関わらずアジアや欧米から観光客がやってくる。年間来園者16万人のうち2.5%(4,000人)が外国人である。決して恵まれた立地とはいえないこの場所に、なぜ多くの観光客がやってくるのか。

 

 

150種類の豊富な果物を栽培

 

平田観光農園は15ヘクタールの農地でブドウやリンゴ、梨、イチゴなど150種の果物を栽培している。150という品種は日本最多で、各国の人々の好みに合わせた果物が提供できる。たとえば、香港人は大粒のイチゴやぶどう、東南アジアの人々は南国にはないリンゴなどを好むという。

 

 

商談会の積極的な利用

 

また、国内外のいろいろな商談会に出席して、旅行会社に地元の魅力をPRすることも忘れない。最近は四国のお遍路と広島を組み合わせたルートの人気が高いという。これは、旅行会社としても東京や大阪、京都などの都市圏だけでなく地方の観光ルートを増やしたいというニーズがあるためだ。

 

 

体験を重視したプログラム

 

フルーツピザ作り、月一のアウトドア体験、ヒツジやミニブタとふれあえる広場、薪割りから調理まで自分であるダッチオーブンメニューの展開……。これらはすべて農園で体験できるプログラム。農園と言えば果物の収穫だが、そこだけにとどまらない多様な楽しみ方ができる。

 

また、農園では海外からの農業研修生も受け入れている。帰国した研修生たちが農園の魅力をネット上で発信することで、新たな来園につながってくる。

 

 

訪日観光客の取り込みは未来への投資

 

現在、海外からのインバウンド客の取り込みは利益率を見たら、農園にとってプラスとはいえないという。けれども、訪日観光客を取り込むことで農産物や加工品の輸出にまで繋げるという狙いがある。

 

巨大キノコが取れると言うことで、メディアにも取り上げられることの多い平田観光農園。不利な立地条件を跳ね返して、海外からのインバウンド客を上手に取り込む手法は参考にしたい。



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