日本初のデュラム小麦新品種「セトデュール」 農研機構と日本製粉が共同で育成

農業メディア「AgriFood」の最新記事を購読しよう
line_addfriens_banner

160430_1

 

農研機構西日本農業研究センターは、日本製粉との共同研究で、日本初のデュラム小麦品種「セトデュール」を育成した。「セトデュール」は稈長が短いため倒伏に強く、収量は約60kg/aで「農林61号」と同程度になる。

 

デュラム小麦は日本の普通小麦と比べて以下のような違いがある。

・成熟期が遅い

・赤かび病に弱い

・白粒で穂発芽耐性が弱い

 

国内では収穫時期が梅雨に当たるため、穂発芽しやすいデュラム小麦はこれまであまり育成されてこなかった。スパゲティやマカロニの多くは海外産デュラム小麦から作られているが、実需者や消費者から国産デュラム小麦を使った商品のニーズがあった。これを受けて、農研機構は収穫時期に雨の少ない瀬戸内地方でのデュラム小麦の育成を開始した。

 

新品種「セトデュール」は「農林61号」に比べて、成熟期はやや遅い中生の品種。粒色は黄の白粒で、「農林61号」や「ミナミノカオリ」に比べて千粒重はかなり重く、容積重も高い。

 

warc_press20160425image01

warc_press20160425image02画像:農研機構「日本初のデュラム小麦新品種セトデュール

 

「セトデュール」で作ったスパゲッティは普通小麦で作ったものより黄色みが強く、硬さや弾力など官能評価にも優れる。現在、デュラム小麦は兵庫県を中心に7ヘクタールで実証栽培されている。2018年までには50ヘクタールまで拡大予定。

 

日本製粉は将来的に数千トンを使用したいとの意向があり、瀬戸内地域において500ヘクタール程度の作付けを目指している。

 

 



4562