農薬自動散布、画像解析による害虫発見機能を搭載したアグリドローン 佐賀県・佐賀大・オプティムの三者が連携して開発

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佐賀大学、佐賀県、ITベンチャーのオプティムは三者連携による最新のIT農業に対する取り組みを発表した。農薬を自動散布する「アグリドローン」や、遠隔指示で農作業を効率化するスマートグラスなどの最先端機器が紹介された。

 

三者は2015年8月に「楽しく、かっこよく、稼げる農業」というコンセプトのもとに、佐賀からIT農業を実現するべく三者連携協定を締結。今回発表された目玉のひとつが自動で農薬のピンポイント散布を行う「アグリドローン」。設定されたルートを自動で飛行し、病害虫が発生している箇所へピンポイントで農薬を散布する。また、ドローン対応の殺虫器を搭載して夜間に飛行させることで、農薬を使用することなく害虫駆除が行える。その他、赤外線カメラやサーモカメラなどを搭載しており用途に応じて切り替えが可能。

 

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(画像:オプティム

 

15年10月には、アグリドローンで撮影した画像を解析して大豆の害虫「ハスモンヨトウ」の検出に成功している。上空から撮影した画像を解析し、葉の変色などから害虫の発生を判別することができる。今年はアグリドローンの有効性検証のため、通常圃場とIT農業用圃場の比較研究を進める。通常圃場による大豆の生育と、アグリドローンによる自動害虫発見、駆除による生育調査を行っていく。

 

 

なお、現時点ではドローンの夜間飛行やモノをぶら下げての飛行には認証が必要。数年先の製品化を計画している。

 

その他、ドローンの飛行が難しいハウス内を全天球カメラで撮影しながら自走する「アグリクローラー」や、遠隔指示により農作業を支援するスマートグラス「Remote Action」も発表された。カメラで撮影された画像や、スマートグラスの作業記録はクラウド上に保存して解析を行う。解析されたデータは今後のIT農業に活用していく。



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