農福連携、6次産業化、オリジナル商品の開発……、農山漁村活性化の優良事例を発信する「ディスカバー農山漁村の宝」

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農林水産省が主催する「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」は、農山漁村活性化の優良事例を選定して全国に発信する企画。同企画は2014年から始まり、3回目となる今年の募集は6月14日~8月15日まで受け付けている。

 

「ディスカバー農山漁村の宝」のねらいは「強い農林水産業」と「美しく活力のある農産漁村」を実現すること。農産漁村のポテンシャルを引き出して、地域の活性化、所得向上に取り組む優良事例を選定して全国に発信する。

 

選定基準は以下の3つ。

・美しく伝統ある農山漁村の次世代への継承

・幅広い分野、地域との連携による農林水産業、農山漁村の再生

・国内外の新たな需要に即した農林水産業の実現

 

農水省のWebサイトでは過去の選定事例が紹介されている。2015年には合計683件の応募の中から27件が選定された。その中のひとつとして取り上げられている和歌山県有田市の早和果樹園は、有田ミカンの6次産業化による地域活性に取り組んだ。有田ミカンの生産に加えて、有田ミカンを原料にしたジュースやジャム、ポン酢などの商品開発を推進。ICT農業を導入して、栽培の見える化、効率化も行った。また、商談会や百貨店での販売や海外輸出なども積極的に展開し、シニア女性が活躍できる子会社も設立した。

 

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早和果樹園の取り組み。(画像:農林水産省)

 

それらの成果として、常時50人を雇用し、臨時でも50人を雇用するなど中山間地域での雇用を創出した。また、地元のミカン農家約250戸と契約し、売上も1.5倍に増加した。交流事業で有田ミカンのファンも定着するなど、明確な成果が現れた。

 

また、山口県萩市の社会福祉法人E.G.Fは、農福連携でメロン、イチゴ、野菜の苗作りから加工を手がけている。12粒2,500円の有機栽培イチゴ、国産手剥き栗など、下請け作業ではない付加価値の高い商品を販売して安定的な雇用を実現。県外からの就職希望者も増え、移住者と農地の管理依頼の増加につながった。自然が豊かな環境で働くことで、障がい者たちの程度区分も改善されたという。

 nics_press20160608_2_grah1社会福祉法人E.G.Fの取り組み。(画像:農林水産省)

 

これらの事例はすべて2015年の選定事例集として公開されている。数多くの事例が掲載されているので、参考になるケースもいろいろとあるかも知れない。



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