電解水素水を使った農業で地域農業を支える ~高知県のJA出資法人(株)南国スタイル~

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JA出資法人として2012年に設立された南国スタイル。JAが「10年後の農業像」を検証したところ、高知県の南国市は担い手農家数が半減することが明らかに。そんな状況を変えるべく、地域農業の未来を支えるべく設立された農業生産法人だ。

 

 

若い力で地域農業を再生させる

 

南国スタイルは現在、20ヘクタールのほ場で野菜とイネを栽培している。夏場はオクラ、冬場はキャベツ、ダイコンがメイン。これまでいろいろな野菜を手がけたが、利益率の高いものを残した結果だという。出荷先は市場のほか、地元のホテルや飲食店、学校など。地元の漬け物加工業者との契約栽培でダイコンを作ったり、病院給食として一次加工を施したジャガイモを出荷したり、販路の拡大には余念がない。

 

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設立から4年が経過するが、毎年平均4~5ヘクタールのペースで土地が増えてきている。耕作放棄地を引き受けたほ場も多く、20ヘクタールにして区画は200を超えている。今期の売り上げ目標は9000万円。農業生産が4500万、仕入れ販売が3500万、加工や営農サービスの受託などで1000万という内訳だ。

 

「耕作放棄地の解消と担い手農家を増やすことを目標に、平成24年に南国スタイルを立ち上げました。現在、社員は9名、常勤のパートさんはだいたい10名ほどいます。社員の平均年齢は30歳くらいですね。南国市を未来の産地として見てもらうためには、やはり将来のある若者の方が期待されるので、そこを武器にしたいと考えています。そして、JAが母体なので、耕作放棄地になるような土地も活用していきます」。そう語るのは、JAの営農指導員の経歴を持つ同社の中村文隆専務。

 

 

電解水素水を農業に使うことで、収量と栄養価がUP

 

「高知県は全国でも所得が低く、それは農家も同じです。農業をはじめるには露地栽培なら初期投資で1000万円、施設園芸なら2000万円近く必要ですし、売上もすぐには出ない。この会社を通じて農業の平均所得を上げることが目標です」(中村専務)。稼げる憧れの職業としての農業の実現。その目標の達成に向けて、南国スタイルは日本トリムの電解水素水を使用した農業に取り組んでいる。

(参考記事:電解水素水によりメロンの収量と糖度が上昇 日本トリムの「還元野菜整水器」)

 

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南国スタイルの中村文隆専務。

 

 

「日本トリムの電解水素水を使うことで、収量が増えた実感はありますね。データでも2割増えたという数値が実証されています。ネギに使うと根の張りがよくなったり、協力農家からも生育の差は実感できるという声が寄せられています」と、中村専務は電解水素水の効果を説明してくれた。

 

電解水素水のメリットは、水を替えるだけなので投資が少なくて済むこと。また、どの作物にも効果が期待でき、作物の肥料の吸収効率が上昇するので減肥にもつながる。電解水素水は溶解力と浸透力が高い特徴を持っている。その高い溶解力で土壌の養分を溶かして、根からの吸収をよくするという仮説が立てられている。将来的には収量と単価を2割増加、売上を1.5倍にすること目指している。

 

 

電解水素水の効果を実証するべく、次世代ハウスを建設中

 

南国スタイルは、電解水素水で育てた野菜を還元野菜としてブランド化する「還元野菜プロジェクト」を推進している。抗酸化成分が多く旨味が増した野菜を還元野菜として、直売所で販売したり学校給食の材料にする。栄養価の高い機能性野菜の新ブランドとして確立させるのが目標だ。

 

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地下水と電解水素水を使用したホウレンソウの生育の差。

 

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 葉長、葉数は10株の平均値。重量は10株の合計値。いずれも地下水より大きな数値となった。

 

 

2050年には世界人口が90億人になるといわれ、食糧難の時代も予想される昨今。中村専務は「電解水素水を利用することで、年間5、6回転のホウレンソウが、6,7回転くらいになります。電解水素水を使った農業で、食糧問題の解決にもつながります」と語る。

 

電解水素水の効果を確かめるため、現在73アールのハウスを建設中。安定した環境の中でピーマンやパプリカを栽培して、その効果を実証する。パプリカは抗酸化力が高い野菜として注目されているが、その大半が輸入されている。まだ日本では栽培法が確立されていないため、電解水素水を使ったハウス栽培で栄養価の高いパプリカを作り、差別化を図る。電解水素水が農作物に与える効果が明らかになることで、今まで以上に農業への導入が進むだろう。

 



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