寿司、カレー、おにぎり、、、用途別品種&生産者集うーー「プロ米EXPO2015」

農業メディア「AgriFood」の最新記事を購読しよう
line_addfriens_banner

テンプレート_TOPIC-のコピー

 

11月24日に浅草で開催された「プロ米EXPO2015~プロユース国産米展示商談会~」。アグリフード編集部も参加してきたので、前回に引き続きその様子をお伝えします。当日は、業務用米取引に関するセミナーとパネルディスカッションが行われた後、10品種が試食できる品種の食べ比べ、30団体がブース出展した展示商談会が開催されました。

 

第1回:米は契約栽培の時代に?拡大する米の中食・外食市場

第2回:寿司、カレー、おにぎり、、、用途別品種&生産者集う

 

 

これからは米を用途別に選ぶ時代

 

米の品種食べ比べコーナーに並ぶのは寿司、カレー、五目おにぎり、高級弁当、冷凍ピラフなど用途別に開発された品種。甘みや食感、粘り、ほぐれやすさなど、さまざまな特徴を持った品種が開発されている。

 

いずれの品種も安定供給を目指した多収性で、生産コストの低減を実現している。九州で生まれた新品種「にこまる」は現在、西日本各地まで栽培地を広げている。長崎県産は食味ランキングの特Aを5年連続受賞していて、高温でも品質低下が少ない。ヒノヒカリに代わる暖地向けの中生種として期待されている。

 

食べ比べ「にこまる」をはじめ、「あきだわら」、「つぶぞろい」、「ゆきさやか」などの品種が並ぶ。

 

 

寿司に合う新品種「笑みの絆」

 

新潟県の妙高市の大黒屋商店は矢代産コシヒカリ、魚沼産こしひかりなどを扱う販売店。今回は寿司用の「笑みの絆」をPRしていた。粘りが強すぎず、酢によく馴染んでほぐれやすいのが特徴の品種。

 

大黒屋炊き込みご飯や釜めしにも合う笑みの絆。

 

北陸研究センターの指導員から栽培指導を受けて、笑みの絆普及に努めている。現在は400トンを栽培して、そのうちの100トンが寿司用に使われている。将来的には地域の新ブランド米として認知させたいとのこと。

 

 

米質をデータ化することで、オーダーライスに対応

 

福島県本宮市の御稲プライマルは、米の食感・食味・GABA測定などを数値としてデータ管理している。産地、品種ごとに異なる米質をデータとして管理することで、食味や粘り、固さを調整が可能になる。たとえば、やわらかいAという米を固くしたいなら、そこに固めのBという品種を混ぜれば、適度な固さのCといったカスタムができる。

 

プライマル米質のデータ分析により、細かいオーダーへの対応も可能になった。

 

また、豪雪地域として知られる新潟県十日町市の千手は「今まではコシヒカリがメインだったけれど、新品種を作ることで収穫の期間がバラけてコスト削減につながったと」メリットを話してくれた。

 

今後、企業の求める米へのニーズはますます多様化してくることが予想される。けれども、生産者からの情報が少なく、企業のバイヤーが生産者からの情報発信を待っているのが現状だ。安定的な契約取引の実現には、生産者の積極的なPRも必要となってくる。

 

自社PRの場として、企業ニーズを聞ける場として、生産者同士の情報交換の場として、プロ米EXPOのような展示会の需要は高まっていくだろう。



4010