熊本地震による農林水産被害総額が1085億円に 米から大豆への転作支援も

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農水省は熊本地震における被害総額は1085.6億円と発表した。熊本を中心とする地震は現在も続いており、被害については継続して調査をする。また、共済金等の早期支払いやハウス等の再建・修繕支援、米から大豆への転作支援も行っていく。

 

熊本と大分での農作物、家畜、ハウスなどの被害は286.6億円。九州7県での農地の損壊は3,035箇所で被害は88.2億円。農業施設などの損壊は3,158箇所で401.7億円に上る。

 

産経新聞の記事によると、県別の被害は熊本が1,072億円と最も高く、大分県は8.6億円と続いている。

 県別の被害額では、熊本が1072億円と最も多かった。以下、大分(8億6千万円)▽長崎(2億2千万円)▽宮崎(2億1千万円)▽佐賀(4千万円)▽福岡(3千万円)-などとなった。被害区分では、農地や農業用施設関係が489億9千万円▽林野関係289億1千万円▽作物損傷など農作物関連286億6千万円▽水産関係20億1千万円-だった。

(産経新聞「農林水産被害1100億円 農水省、営農再開支援など実施」より引用)

 

 

また、農水省は被災した農林漁業者に向けて支援対策を発表した。以下に支援の一部を紹介する。

 

・共済金等の早期支払い

農業共済、漁業共済・漁船保険について被害の早期査定、共済金・保険金の早期支払いを要請。

 

・畜舎、農業用ハウス等の再建・修繕への支援

畜舎、農業用ハウス、農業用機械などの再建と修繕経費を助成。

 

・転作農家への支援

米から大豆などに作付転換した場合には、水田活用の直接支払交付金等の対象になることや、食用大豆からの転用により種子大豆を確保することを周知。なお、熊本の蒲島知事も森山ひろし農相にたいして「大豆への転作に対する支援がほしい」との要望を出している。

 

・簡単な補修費や余分な輸送費を支援

被災した施設の簡単な補修、手作業での選果、他の出荷施設などへ農産物を運ぶ際の輸送費など助成。

 

・雇用維持のための支援

被災した生産者の従業員が他の生産者に一時的に雇用される場合や、研修で派遣する際の経費を助成する。

 

農水省の行う支援は「平成28年熊本地震による被災農林漁業者への支援対策について」のページにまとめられている。

NHKによると、今回の支援策について農水省は原則今年度予算の範囲内で進め、今後は補正予算を活用した追加の支援策も行う方針だという。



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