「おためし農業体験」で農業を知る ~西日本一、5.4haのイチゴハウス生産に挑戦する(株)ベリーろーど~

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山口市が、「みんながもうかる農業」をキャッチフレーズに、山口市内外から「おためし農業体験」参加者を募集している。

魅力は、柔軟な受け入れ体制。日帰りから3泊4日まで期間を選べたり、品目等の希望に応じて研修先を選べたりと、個別の希望に応じた体験プログラムに参加することが出来る。その上、体験参加費は無料。現地までの交通費・宿泊費も補助の対象だ。

もうひとつの魅力は、やはり地元生産者だ。体験の受け入れ先は、水稲、露地野菜、施設野菜、酪農、肉牛など様々。経営者との交流も可能だ。

 

平成28年3月時点での受け入れ農場一覧

 

今回は、受け入れ先の一つである、イチゴの農業生産法人「ベリーろーど」の取り組みを紹介したい。

 

 

3年後のイチゴ産地化を目指し規模拡大中

 

ベリーろーどはJA山口中央が出資して2015年に設立された。15年からの3年間で、市南部の5.4haの土地に約200棟のハウスが建ち並ぶ県内最大規模の「いちご団地」を整備することが目標だ。

 

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2016082514580000.jpgいちごはハウス内で土耕栽培

 

その目標達成のために同社は毎年10名ずつ従業員を採用して、規模拡大を進めている。今年度の年間生産量は60トンで、売上は6,000万円。3年後には200トンを生産して、2億円の売上を目指している。

もともと同社のある県南部の佐山地域は、冬も温暖でイチゴ栽培には適した気候の地。イチゴ狩りも盛んに行われ、福岡をはじめとする近隣からの観光客も多い。

 

 

採用後には農業大学校で約1年間の研修

 

就農者の受け入れ体制を聞いてみると、先日9月1日には8名の正社員が入社されたようだ。県外からの応募も多く、それぞれが多様なバックグラウンドを持っている。採用後は山口県立農業大学校で約1年の農業研修を受け、一通りの基礎を身につけてから実際の勤務がはじまる。17年の9月から勤務がはじまるメンバーも現在研修中だ。

 

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ちょうど今の時期は、春から育ててきた苗をハウス内に定植しているようだ。そんなベリーろーどが求めているのはどのような人材か? まずなによりも農業に対して情熱を持っていること。200棟のイチゴハウスが並ぶ規模の産地化を実現する業務は、大変だがその分やり甲斐もひとしお。日々の作業をしっかりとこなす粘り強さも求められる。そしてやはり、イチゴ好きということも大事。

 

 

規模拡大を進めて、佐山地域のイチゴ産地化を目指すベリーろーど。具体的な今後の施策としては、高品質のイチゴが求められるケーキ屋などとの取引も増やして、国内での販路確保はもちろん、中国やアジア諸国にも日本のイチゴを売り出したい考えだ。イチゴの名産地として地域農業を発展させ、未来を担う生産者を育成していく。

 

就農希望者にとって見逃せない山口市の「おためし農業体験」。実施期間は2016年9月1日(木)~2017年3月31日(金)の7ヶ月。詳しい情報は山口市のWebサイトを参照してほしい。「みんながもうかる農業」の実現に向けて、先進的な取り組みをはじめた山口市の今後に注目したい。

山口市おためし農業体験参加者募集【山口市おいでませ農の担い手確保事業】 -山口市

 



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