ドイツの農薬大手バイエルが生育診断ソフト企業を買収 デジタル農業に本格進出
ドイツの農薬・種子メーカーバイエルがデジタル農業に進出すると日本経済新聞の記事が報じた。バイエルはアメリカのモンサントやスイスのシンジェンタと並び、ビッグ6と称される農薬・種子大手。
気象や地質データをもとに、農薬の適切な使用法をアドバイス
日経新聞によると、バイエルは作物の生育状況の診断ソフトを提供するドイツ企業を買収。農薬の選択や適正な使用についての助言、感染病対策などを農家に行っていくという。買収額は非公表。2014年にはカナダの企業の衛星画像を使った地質情報システムを買収している。
今後、同社は気象データや地形図などのデータをもとに、農家に最適な情報を提供。経営の効率化、コスト削減、収量の向上などを実現していく。14年に買収した地質データも活用する。今後も戦略的な投資を続けて、デジタル農業での活動に力を入れていく。(バイエルの公式Webサイトより)
バイエルは農薬、種子以外にも医薬品を開発しており、2014年にはアメリカの製薬会社メルクの事業を1.4兆円で買収した。これにより、バイエルは医薬品メーカーとして世界2位の規模になった。また、15年には日本のパナソニックヘルスケアホールディングスがバイエルの血糖値測定器事業を1,380億円で買収している。
今年に入り、シンジェンタが中国の「中国化工集団」に約5兆1,600億円で買収されるなど、各社で動きが活発化している。