農業用ロボも多数展示ー「2015国際ロボット展」

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12月2日~5日の3日間に渡ってビッグサイトで開催された「2015国際ロボット展」。産業用ロボから、介護用ロボ、農業用ロボまで、あらゆるロボットが一堂に集まっていました。今回は農業用ロボが集結していた「農林水産業ロボット 合同展示パビリオン」の様子を中心にお届けします。

 

 

自動走行でイチゴの実に触れずに収穫

 

宇都宮大学とNECは、イチゴの収穫・運搬・集荷・観測が1台でできるロボットを開発した。レールのない場所でも自動走行可能で、イチゴの育成状況を観測してデータをクラウドに蓄積していく。

 

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完熟した実を判別して自動的に切り取り収穫する。その際、実には一切触れないので痛みも少なく高品質で消費者に届けられる。また、3週間ほど保存ができるため、より遠隔の海外への輸出も可能となる。

 

収穫している人間の後を追尾することもでき、イチゴが満載になったら自動で集積所まで移動する。

 

 

農作業の効率化を実現する最新のロボットが集結

 

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ほうれん草などの軟弱野菜を自動収穫する機械は、信州大学が中心となって開発。野菜の根を握らず、挟まずに収穫する受動的ハンドリングの技術が使われている。受動的ハンドリングとは、野菜の重心の下部を押すことで自然に倒して収穫する方法。

 

 

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自動で走行するヤンマーの「ロボトラ」。有人の随伴トラクターが遠隔で操作する。つまり、1人で2台分のトラクター作業が可能となる。2台で耕耘してもいいし、1台が砕土、もう1台で施肥、播種と別の作業をやることも可能。作業効率が大幅にアップする。

 

 

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会場には、高校生と大学生を対象にした「農林水産業ロボットコンテスト」の最終審査を通過したロボットも多数展示されていた。

 

 

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東京農工大学は一人乗りのクローラ型ロボットを開発。中腰姿勢での負担を減らし、土や砂利でも走行できる。シートは左右に90度ずつ回転する。夜間、早朝作業のためにLEDライトが付属している。

 

 

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栃木県の今市工業高校が開発した「ほ場見守りロボット・キリン」。携帯端末で家にいてもほ場が確認できる。奇抜なキリンの模様は、遠くからでもすぐ発見できるようにするため。

 

 

30キロの重量を楽に持ち運べるアシストスーツ

 

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東京理科大学から生まれたベンチャー企業のイノフィスが開発したアシストスーツは、多くの人が体験していた。バックパックのように背負い、腰と太ももに固定して着用する。

 

実際に体験してみると、曲げた膝と腰がスーツの人工筋肉で強制的にまっすぐにされて、力を入れずとも重いものが持ち上げられた。製品版では30キログラムまでの荷物を持ち運べるという。

 

初心者にも高齢者にも優しい農業を実現するために、ロボット技術はこれからも積極的に取り入れられるだろう。農業の競争力強化のためにも、今後のロボット技術の発展に期待したい。



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