訪日外国人観光客、15年は2,000万人達成間近 食・農業への興味も
日本経済新聞が外国人観光客の動向やニーズをまとめたデータを発表した。2015年(12月19日までの時点)の訪日外国人観光客は1,901万人。14年の1,341万人から560万人増えた。03年の外国人観光客が521万人だったことを考えると、大きな増加といえる。
国は20年までに2,000万人の外国人観光客を呼び込む目標だが、これも先倒しで達成されると考えられている。観光客増加の要因としては
・円安で日本での買い物が割安になったこと
・査証(ビザ)の発行要件が緩和
などが挙げられる。
アジア諸国から日本に訪れる観光客は全体の85%
15年(1月~11月)の外国人観光客、国別のトップ5は以下のとおり。
1位 中国 約465万人 27%
2位 韓国 約359万人 20%
3位 台湾 約341万人 19%
4位 香港 約137万人 8%
5位 アメリカ 約94万人 5%
中国、韓国、台湾の上位3カ国の合計で66%、5カ国合計で79%を占める。ちなみにベトナムは17.5万人と少ないが、10年前の05年と比べて7.9倍も増加している。中国も7.1倍と大きな伸び率を見せている。
宿泊先は映画ロケの効果で佐賀県が大きな伸び
15年(1月~10月)外国人観光客の宿泊先トップ3は東京(約1,477万人)、大阪(約776万人)、北海道(約449万人)。定番の観光地が強いが、伸び率を見ると地方が健闘している。
前年同期からの伸び率1位は2.59倍増加の佐賀県(約15.7万人)。佐賀県鹿島市などで撮影されたタイ映画が14年に公開され、ロケ地を訪ねるタイ人観光客が増えたという。
(映画やドラマの舞台となった土地を訪れることをフィルムツーリズムやシネマツーリズムなどと呼ぶ)。
2位は2.45倍の三重県(約30万人)。16年5月の伊勢志摩サミットでも注目され、数年前から伊賀流忍者博物館を巡るツアーが人気となっている。
外国人観光客が期待する日本での楽しみとは?
農業生産者に関わりがありそうな、外国人観光客が「日本で楽しみたいこと」についてまとめてみた。
・「日本食を食べる」上位5カ国
タイ(84%)、フランス(83%)、シンガポール(83%)、カナダ(80%)、香港(83%)
・「日本酒を飲む」上位5カ国
イギリス(42%)、オーストラリア(39%)、アメリカ(39%)、カナダ(37%)、フランス(31%)
・「自然、景勝地観光」上位5カ国
タイ(29%)、ロシア(24%)、インドネシア(24%)、ベトナム(21%)、マレーシア(20%)
・「自然体験ツアー、農漁村体験」上位5カ国
インドネシア(16%)、アメリカ(15%)、タイ(14%)、フランス(14%)、ロシア(13%)
・「日本の歴史、伝統文化体験」上位5カ国
フランス(46%)、アメリカ(44%)、カナダ(43%)、オーストラリア(41%)、ロシア(40%)
日本の食、自然、歴史、農村文化など、地方にはアジア人も欧米人も引きつける観光資源が眠っている。リンク先のページには今回紹介した以外のデータも数多く掲載されているので、一度チェックしてみてほしい。
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