世界初、生育のばらつきに応じたドローン施肥システム 山形大学やコニカミノルタが共同で開発
山形大学農学部が民間企業との共同研究で、ドローンを利用した新しい農業システムを開発した。共同で研究を進めているのはコニカミノルタ、鶴岡グリーンファーム、ヤンマーヘリ&アグリなどの企業。2014年にはコンソーシアム「ISSA山形」を設立している。
ドローンに搭載したマルチカメラでほ場を空撮。撮影した画像から稲の生育状況(葉色、茎数など)を評価して、「圃場のばらつきマップ」を作成する。それぞれのばらつきに対応した可変施肥を無人ヘリが行う。無人ヘリによる可変施肥システムは世界初という。
鶴岡グリーンファームでの実証結果では、1反(約991平方メートル)当たり、水稲の「はえぬき」は収量がアップし、収益が1万5000円(14・5%)増加。「つや姫」は品質管理が図られ3万7000円(33・0%)の増収が試算された。
(荘内日報社「ドローン活用の農業システム 山大農学部と民間企業共同開発」より引用)
今年は、高温の障害診断や刈り取り時期の診断ができる搭載カメラを開発した。全国15カ所、約400ヘクタールのほ場で実験を進めている。秋にはて実証化などについて検討する予定。
現時点ではバッテリーによるドローンの稼働時間などの課題もある。今後はさまざまなセンサー技術の応用により、水稲以外のすべての農作物への適応が可能。日本以外にも海外農業の将来に貢献していきたい展望だ。