遺伝子組み換え技術は不使用 タキイ種苗が手がける新品種

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先日の記事でレポートしたタキイ種苗の「茨城研究農場」。今回は200年企業を目指すタキイ種苗の戦略ついてのレポートをお届けします。1835年に京都で種を売る商店としてスタートした同社。今では栄養素の高いファイトリッチシリーズをはじめ、トマトの桃太郎やナスの千両二号など、独自のノウハウでさまざまな新品種を送り出しています。

 

■タキイ種苗視察レポート1:オランダ並みのトマト収量を目指す タキイ種苗の「高度環境抑制ハウス」

■タキイ種苗視察レポート2:受粉なしでも着果する ナス科野菜の新遺伝子を発見

■タキイ種苗視察レポート3:遺伝子組み換え技術は不使用 タキイ種苗が手がける新品種

 

 

「栄養価の高い機能性野菜」と「食文化を守る伝統野菜」

 

機能性成分を豊富に含んだファイトリッチシリーズの「京くれない」は、東洋と西洋のにんじんを組み合わせた品種。抗酸化力の高いリコピン、カロチンを多く含んでおり、20~22センチの細長い形状が特徴。

■京くれない -タキイ種苗 品種カタログ(http://www.takii.co.jp/

 

kyoukurenaiタキイ種苗品種カタログ「京くれない」ページより引用

 

創業180周年を記念して、京都の伝統野菜の取り扱いもはじめる。創業以来、保管してきた種子から辛味大根、金時人参、もぎ茄子、九条葱などの計17品種を販売する。F1種と異なり個性豊かな伝統野菜で、日本の食文化を後世に伝えていく。

 

IMG_20151117_142143 IMG_20151117_142117

 

 

「遺伝子組み換え技術」は不使用

 

遺伝子組み換え技術を利用しない点もタキイ種苗の大きな特徴のひとつ。「独自の遺伝資源」と「伝統的育種技術」で日本の農業を守る品種の提供に徹している。180周年記念品種の「桃太郎ピース」は、大玉で多収かつ黄化葉巻病にも強い。耐病性と美味しさを両立した桃太郎ピースの発売には20年の歳月を要している。

 

IMG_20151117_145203短期間でM玉以上の大玉が多く取れる桃太郎ピース。

 

2005年には植物遺伝子の研究会社であるオランダのキージーン社と研究提携。同社のDNA解析技術を駆使して優良品種だけを交配が可能になった。通常は10年以上かかる新品種の開発が3年に短縮された。すでに、すすかび病やうどんこ病などにも強い次世代の桃太郎ピースも開発されている。

 

この他にも、ホルモン処理なしで着果する単為結果性のナスを開発して農作業の大幅な省力化に成功している。安全な育種技術をもとにさまざまな品種を生み出してきたタキイ種苗。これからも日本の農業を強くする新品種の登場に期待したい。



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