近畿最大級のトマトハウスが完成 暖房にウッドチップを利用
兵庫県加西市の「ひょうご次世代施設園芸モデル団地」は3.6ヘクタールの敷地を持つ、近畿最大級のトマト栽培ハウス。農林水産省の「次世代施設園芸導入加速化支援事業」の一環として、約20億円の費用をかけて今年の8月に完成した。
ITで環境を制御して高収量を目指す
0.9ヘクタールのハウスが4棟あり、2棟ずつトマト(もりたろう)とミニトマト(スプラッシュ)を生産している。運営する「兵庫ネクストファーム」は、生産者の「サラダボウル」「東馬場農園」「ハルディン」と「JA兵庫みらい」が出資して設立された。
オランダ式の連棟型温室で温度、湿度、光、二酸化炭素などの環境を制御して高品質トマトを安定的に生産している。環境の変化に応じて天井を自動的に開閉したり、二酸化炭素発生器も備えてハウス内の濃度を常に最適な基準に保てる。
バイオマスの使用や、肥料のリサイクルで環境に優しい農業を実現
冬場の暖房には兵庫県多可町のウッドチップを使い、エネルギーの地産地消にも取り組んでいる。化石燃料の使用を30%以上削減することが目標だ。肥料のリサイクルにも取り組んでいる。
マーケットのニーズに対応した通年で安定した生産を実現して、地域での新しい産業モデルの確立を目指している。「地域雇用の創出」「将来の農業の担い手育成」「県内トマト農家のレベルアップ」などの波及効果も期待されている。
収量は10アールあたり35トンが目標。これは、国内平均の3倍に相当する。人口減少の時代において、少ない人手で生産性、効率性を高められる施設栽培はこれからも増えていくだろう。
参考URL
「攻めの農業」トマト栽培にIT積極活用 加西の団地-神戸新聞NEXT