熊本地震の農業関係被害の状況まとめ 園芸作物は一部枯死等の被害、政府は全共済等に支援対応を呼びかけ
農水省が、熊本地震による農林水産業関係被害の状況をまとめ、5月6日に発表している。土地利用型の作物被害は少ないけれど、園芸作物では一部作物が枯死するなどの被害が確認されている。
園芸作物等
園芸作物では、共同利用施設、農業用ハウスなどに一部損傷が見られる(熊本県17件、長崎県1件)。また、農業用ハウスの損傷や燃油タンクの傾きなども報告されている。
作物ではメロン、トマトで一部落果被害、いちごやレタスなどの一部枯死被害も発生している。
畜産
当初は生乳の廃棄が発生したが、21日以降は道路事情により集乳できない地域はなくなっている。
5月1日時点では、熊本市の熊本乳業が操業停止中。また、畜舎等の施設、設備が全壊又は一部損壊したほか、死亡牛も発生 している。
土地利用型作物
大きな被害は報告されていないが、カントリーエレベーターなどの共同利用施設、加工施設に一部被害が発生。また、ほ場の地割れや液状化、法面の崩壊等の被害が見られる。水路やパイプラインの損壊等により、水が確保できないほ場もある。
卸売市場
熊本市の田崎市場青果棟、水産物棟において卸売場等が一部破損。他の市場でも事務所被害等が発生している。
また、政府は被災者が円滑に農林漁業経営を再開できるよう、共済金の支払い迅速化、交付金の報告書の提出期限を延長するなどの対応を講じるよう各機関に通知している。
・共済金の迅速な支払いや、共済掛金の払込期間を延長
・アグリビジネス投資育成会社による投資や、被災農業法人への支援における出資条件等について柔軟な対応
・多面的機能支払交付金について、事業実績や報告書の提出期限2ヶ月の延長
詳細は農水省が発表した「平成28年(2016年)熊本地震の食料供給・農林水産業関係被害の状況」を確認してほしい。