農林水産省が「ロボット農機に関する安全性確保ガイドライン(案)」を発表
農林水産省が「ロボット農機に関する安全性確保ガイドライン(案)」を発表した。農業でのロボット使用は工場などと異なり、ほ場内で人と近接する可能性がある。また、農家の高齢化も進んでいるため、安全確保のためのガイドライン策定が進められている。
農林水産省は、「スマート農業の実現に向けた研究会」において、無人で自動走行する農業機械(ロボット農機)の実用化を見据え、ロボット農機の安全性を確保することを目的として、リスクアセスメントの実施など安全性確保の基本的な考え方、関係者の役割等を示す「ロボット農機に関する安全性確保ガイドライン」を検討してきたところです。
(「ロボット農機に関する安全性確保ガイドライン(案)」の公表について」より引用)
「スマート農業の実現に向けた研究会」では、ロボット技術やICTを活用したスマート農業を実現するため、現場への導入に必要な方策を検討している。
「リスクアセスメント」とは、農作業中に発生するリスクを特定して分析するプロセスのこと。ガイドラインでは以下4つの具体的なケースを挙げて、発生した原因、発生時の詳細が記されている。
・ほ場内に侵入した第三者への被害
・ほ場外への暴走による使用者・第三者への被害
・機械同士の衝突による使用者への被害
・非定常作業時の使用者等への被害
(いずれもロボット農機による押しつぶされ、巻き込まれなど)
ロボット農機が浸透して農業の姿も変わるに従い、新しいルールの整備が必要になってくる。日刊工業新聞ではガイドラインの導入について「メーカーや利用者の必要条件が明確化され、ロボ普及を促すのが狙い。」と述べている。今回のガイドライン案は検証を重ねて、2017年3月末までにガイドラインを策定する予定。