規格外野菜の救世主。農家と企業を直接つなぐオンラインプラットフォーム

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多くの野菜が栄養価や味は十分であるにもかかわらず、大きさや色、形が規格に適合していないがために廃棄されてきた。そしてここへきてこれらの規格外の農産物に対しての解決策が、少しずつではあるが登場している。(参考:「廃棄していい野菜なんてない。「いびつ」な野菜を割安でデリバリーする"Imperfect Produce"」) アメリカのカリフォルニアで誕生したFull Harvest(フルハーベスト)社は、農家(生産者)と企業を直接結ぶBtoBオンラインプラットフォームを提供する。生産者が、市場に出荷できない規格外野菜や余剰農産物を企業に直接販売できる、農業界のAirbnbとも呼べるサービスである。たとえば、飲料や食品加工企業で使われる農産物は加工されるため、そもそも形状を気にする必要がない。バイヤーは調達額を抑えることができるとともに、生産者にとっては追加の収益が得られるというメリットがある。 Image via Full Harvest まず、生産者が規格外野菜や余剰農産物をFull Harvestに掲載する。そして掲載された農産物を購入した企業に、直接商品が配達される仕組みだ。中間業者を通さず直接配達されるため、速く、そして新鮮な状態で届けられるのが特徴だ。 これまで、Full Harvestは約4,500トンもの食料廃棄を防いできたという。これは約22億リットルもの水の浪費を防いだことになり、350万キロの二酸化炭素の排出を削減できたことになる。 農産物の売れ残りが発生するのは、すぐに農産物を配達できる環境や解決策がないことが原因だ。そのため、Full Harvestは生産者と企業、そして物流会社(配送会社)の3者をつなぐものとなっている。当然、生産者は農作業や事務処理等に時間を割いているため、便利で時間のかからないシステムが必要となるが、Full Harvestのシステムは、簡単に手続きができるようになっている。 余剰生産物や規格外の農産物を利用する企業にとっては、調達コストを少なくすることができることに加え、食料廃棄問題に取り組んでいることが企業ブランディングにもつながる。食料廃棄の問題を解決すると同時に、生産者・企業・消費者の3者それぞれにメリットがある画期的なサービスである。
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