200世帯分の電気を生み出すバイオガスプラントが完成 エネルギーの地産地消を実現

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地域密着型のエネルギー関連事業を手がける静岡県の鈴与商事が「鈴与菊川バイオガスプラント」を建設したとスマートジャパンが報じた。食品系、農業系の有機系廃棄物を再利用したバイオガス発電システムで、稼働するのは2016年今年の4月を予定している。

 

有機系廃棄物は1日当たり約6.7トンを搬入し、これをメタン発酵させ取り出したバイオガスを発電機の燃料として利用する。発電規模は120kW(キロワット)60kW発電機2機)。年間の想定発電量は約105万kWhで、これは一般家庭約200世帯分の年間使用量に相当する。
スマートジャパンより)

 

 

地域農業の廃棄物を効率的にリサイクル

 

地域から出る刈草などの廃棄物、鈴与グループのエスエスケイフーズ、農業生産法人のベルファームから出る廃棄物をエネルギー源にする。

 

バイオガス発電時には消化液や排気ガスも出るが、それらのエネルギーも再利用する。

・消化液-露地作物や施設農業、茶業の肥料として活用

・排気ガス-NOxと呼ばれる窒素酸化物を除去してCO2を精製。ベルファームの農作物の光合成促進に活用

 

 

CO2削減とエネルギーの地産地消を両立

 

エネルギーの再利用については、静岡県農林技術研究所や大阪府立大大学院と共同で研究を進めている。静岡新聞によると、これらの有機系廃棄物を廃棄した場合と比べて年間約870トンの二酸化炭素削減効果があるという。

 

バイオガスとは家畜の糞尿、食品残渣などの有機性廃棄物が嫌気性微生物の働きによってメタン発酵して生まれるガスのこと。メタンは地球温暖化の原因の一つだが、化石燃料の代わりに活用することでCO2排出を減らせる。

 

 



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