中国で拡大する日本の有機野菜宅配ーー「大地を守る会」
有機野菜の宅配サービスで知られる「大地を守る会」のサービスが中国で拡大している。中国では、PM2.5などの環境汚染や食の安全に対する国民の不安が高まっている。そんな中で、安全で安心、高品質な日本の食が注目されている。
環境汚染が深刻化する中国で広まる有機農業
大地を守る会は2012年中国のNGO団体「北京富平学校」と合弁会社を設立。当時は尖閣諸島の問題で日中関係は冷え込んでいた。13年に北京で有機農産物の宅配を開始。月間約3,000件の野菜を配送するまでに成長した。価格が高くても安全な野菜を欲する富裕層、中産階級のニーズは高まってきている。
大地を守る会が有機農業を開始したのは1975年。当時の日本は公害問題が深刻化していた。現在の中国も同じような状況にあり、日本から学ぶことは多いと北京富平学校の代表者は話す。
日本の有機農業が中国に与える影響
「北京富平学校」の温室ハウスでは石炭を使わず、レンガで日光を吸収する蓄熱方式を採用している。野菜は採れたてがそのまま食べられ、にんじんは濃くて甘い味が特徴だ。防除のノウハウや、牛糞から肥料を作る方法も日本の技術を参考にしている。
農場には中国各地から研修生が学びに来ている。そこから、日本式の有機農業が中国に広まれば国民の健康増進、貧困層の自立にもつながっていく。
参考URL
日本式「食の革命」=有機農業、静かに進行-農民と市民をつなぐ・中国-時事ドットコム