収量を増やし、栄養価の高い野菜を栽培する電解水素水 日本トリムインタビュー

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整水器の売上高で国内シェアNo.1の企業日本トリム。2015年より、高知県や高知大学などと連携して農業分野に積極的に進出している。水を電気分解して生まれた「電解水素水」は野菜や果物の生育にもプラスの影響を与えることが実証され、その動向が注目されている。電解水素水が農作物に与える効果とそのメカニズム、今後の農業界での展望について聞いた。

 

 

植物の生育が早まり、収量も増える電解水素水

 

日本トリムさんの電解水素水が野菜や果物の生育に効果があると判明したのは、どんなことがきっかけなんですか?

 

日本トリム:発端はお客様の声です。「家庭菜園の野菜に電解水素水をあげると育ちが早くなる」とか、「切り花に使うと長持ちする」とかそのような声をいただいていました。また、「米の収量に大きな差が出る」という声もあり、実際の農家で青ネギの栽培に使用したところ、品質・収穫量が上がったことがきっかけで、本格的に高知大学と共同で研究を進めています。

 

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最近、明確な効果が認められていない”水素水”が多く販売されていますが、電解水素水はどこが違うんですか?

 

日本トリム:一般に売られている水素水の中には、単に水素が入っているだけのものもあります。電解水素水は電気分解によってできた水素を多く含むアルカリ性の水です。弊社の整水器で作った電解水素水は胃腸障害の症状改善に効果があることが「医薬品医療機器等法」によって認められています。また、整水器については厚生労働省のQMS省令にのっとって医療機器としての品質確保がされています。

 

電解水素水を農作物に使うと具体的にどんな効果が出るのでしょうか?

 

日本トリム:去年から電解水素水を使ったところ、メロンの茎と葉が2倍ほどに大きくなったという農家さんがいらっしゃいます。今期、通常の水で育てたメロンのサイズは6L以上が4.2%、5Lが19.2%だったのに対し、電解水素水で育てたメロンは6L以上が29%、5Lが43.8%と大きな差が出ました。去年も今年も成果が出て、大きさも糖度も「特秀」を獲得できたということで好評をいただいています。

 

 

根を強くする効果が期待できる

 

日本トリム:あとは、収穫前にメロンの木が枯れないという効果もあるようです。メロンは収穫時期になると葉や茎が枯れて、糖度が吸い取られてしまうんです。けれども、電解水素水を使うといつまでも茎も葉もぴんぴんしていて、それが一番驚いたとアンケートにありました。これは、電解水素水が根の張りをよくして水分、養分を吸い上げているためと考えられます。植物が本来持っている生長の力を引き出すのも、電解水素水の効果と思われます。

 

そもそもの質問ですが、なぜ電解水素水は農作物にいい影響を与えるんでしょうか?

 

日本トリム:第1の理由として考えられるのが、農作物にも人間といっしょで酸化ストレスがあって、電解水素水がそれを抑制するということです。植物の葉は二酸化炭素を取り入れて光合成をしますが、その過程で過度な環境負荷がかかると、成長を阻害する酸化ストレスが発生するといわれています。そのストレスを抑制すると同時に、植物本来の成長機能が働いて大きく成長すると。あとは、根の環境の改善ですね。電解水素水を葉面散布すると、葉っぱが大きくなり、光合成が促進され根の張りがよくなると考えられます。

 

以前、「水道水」、「ミネラルウォーター」、「浄水」、「水素水」、「電解水素水(レベル1)」、「電解水素水(レベル4)」の6つの水を使って、水耕栽培キットの野菜を育てたことがあります。水道水と水素水は効果が見られなかったけれど、電解水素水のみ生育に効果が見られました。

 

 

「パプリカの次世代ハウス建設」に「整水器購入費の補助」、農業で人々を健康に

 

電解水素水を使った具体的な農業の取り組みを教えてください。

 

日本トリム:農水省、高知県、高知県の南国市からの補助金で次世代型の大型ハウスを建設中です。11月末に完成予定で、73アールの敷地でパプリカを生産します。弊社が機器を提供して、高知県とJAが主導するプロジェクトです。日本ではまだまだ韓国産のパプリカがメインですが、最新設備が整ったハウスで安定的に生産していきます。

 

それとは別に、日本トリムの農業用整水器を購入する農家さんには購入費が補助される制度もあります。現在、農業用の整水器は「AG-10(80万円)」と「AG-30(150万円)」の2種類あります。「AG-10」の取水量は1分間8リットルで、「AG-30」は24リットル。現在、購入いただいた農家さんには高知県が1/3を補助、南国市などではさらに1/3を補助する制度があり、「AG-10」の場合、実質負担は50万円になっています。

 

では、今後の展望を教えてください。

 

日本トリム:弊社では電解水素水を使って栽培した野菜を「還元野菜」というブランドで呼んでいます。還元野菜はリコピン、ベータカロチン、ビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化成分を多く含んでおり、今後はもっとブランドとして定着させたいですね。電解水素水は直接飲んでも健康にいいですし、電解水素水で栄養価の高い野菜を栽培すれば、それを食べた人が健康になります。収量が増えることで農家の収入もアップして、消費者にも農家にもメリットがあります。「快適で健康なヒューマンライフの創造に貢献する」という企業理念に沿って、農業の世界にも貢献していきます。

 



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