農研機構が遺伝子組換え技術により緑色に光るカイコを開発
農研機構と群馬県蚕糸技術センターは、遺伝子を組み換えた「緑色蛍光タンパク質含有絹糸生産カイコ」の飼育を行うことを発表した。他の種との接触を避けるため、群馬県蚕糸技術センターの隔離飼育区画で実験される。
農研機構は遺伝子組換え技術により、緑色蛍光タンパ ク質を含有する絹糸を生産するカイコを開発した。蚕糸技術センターと実用化に向けた研究を進めている。今回の実験では、遺伝子組換えカイコを養蚕農家に近い規模や環境で飼育して、繭の品質の安定性を調べる。また、生育や行動の特性についても調べてデータを収集。飼育実験は5月~10月の期間に予定している。初回は5月中旬に飼育を開始して、6月上旬に繭の収穫と残さの処理をする。その後、同様の実験を10月まで2回行い、計3回にわたって繭を収穫する。
カイコを飼育する区画の面積は1,700平方メートル。飼育室の面積はパイプハウス蚕室 が285平方メートル、プレハブ蚕室が224平方メートル。2016年度は、 1 回当たり遺伝子組換えカイコ約54,000 頭、非遺伝子組換えカイコ約6,000頭の飼育を計3回行う予定。
パイプハウス蚕室 (画像:群馬県)
プレハブ蚕室(画像:群馬県)
なお、実験で収穫した繭は冷凍により不活化して、製品開発のため製糸等の試験に使う。クワの枝等の残渣も粉砕処理で不活化する。