障がい者の力を農業に活かす、「ニッポン食堂」の取り組み
千葉県白井市の「ニッポン食堂」は、障がい者を雇用した農業に取り組んでいる。2009年に設立した同社は、個人やレストランへの野菜宅配、カフェレストラン「OMOしろい」を営業している。15人の従業員のうち、5人が障害を抱えている。
適材適所で仕事をサポート
きっかけは、知人に頼まれて人付き合いが苦手な若い男性をカフェのスタッフとして雇用したことだった。初めのうちは接客や電話への対応ができなかったので、出荷作業だけを任せていた。しかし、半年後にはお客さんと話せるようになっていたという。
今ではその男性は看板スタッフとなり、評判を聞いた福祉関係者から依頼が増えた。それ以来、知的障害者や精神障害者、生活弱者を雇用してきた。農作業や接客など、適材適所で活躍できる分野に配置している。
今後は会員制農園、グリーンツーリズムを視野に
今年の夏には「障害者雇用優良事業所」に認定された。0.3ヘクタールの畑でサツマイモを栽培して、干し芋として販売する事業も始めた。3年後には会員制の農園をオープンさせるという。障がい者と高齢者が作物を育て、直売所で販売する。農業体験イベントも開催する。
5年後には「グリーンツーリズム」の実現を視野に入れている。障害者らが自立して暮らせる環境を作り、農家の人手不足を解消するのが目標だ。計画は県主催の起業家支援ビジネスコンペで最優秀賞に選ばれた。
地域のコミュニティに根ざした農業を軸に、人々の交流を促し、観光事業などを手がけていく。これからの農業モデルのひとつとして参考になる点は多くありそうだ。
参考URL
東京新聞:障害者と農業つなぐ 白井の「ニッポン食堂」 栽培から販売まで一緒に:千葉(TOKYO Web)