イネの高温ストレス耐性を上げる技術を開発 温暖化や熱波による農作物の影響を低減
東京大学と理化学研究所の共同研究グループは、DPB3-1というタンパク質によりイネの高温ストレス耐性を向上させる方法を開発した。ストレス耐性を高めても生長に悪影響が出ないため、温暖化や熱波による収量低下を防ぐと期待されている。
通常、植物のストレス耐性と生長は反比例の関係にあり、ストレス耐性を高めると収量が減るという欠点がある。しかし、発表されたプレスリリースには、「DPB3-1を使えば、収量に影響を与えず高温ストレス耐性を高められる」ことが記載されている。
これまでにも、植物のストレス耐性を向上させるさまざまな技術が開発されていますが、ストレスに対する耐性を高めた植物では、ストレスのない条件下で生育不良となる例が多く報告されています。これはストレスのない条件であるにもかかわらず、ストレス時に発現が上昇するような遺伝子が活性化してしまっているためです。一方DPB3-1は、ストレスのない条件では植物の生育に影響を与えません。
(プレスリリースより一部中略して引用)
実験では、東大と理研はシロイヌナズナのDPB3-1をイネに注入した。この方法はイネとシロイヌナズナ以外の植物でも効果があると考えられている。今後はダイズなどでも実験を行い、より実際の農業に近い条件でストレス耐性を評価していくという。