米は契約栽培の時代に?拡大する米の中食・外食市場ーー「プロ米EXPO2015」
日本総菜協会の調べによると2013年度の中食市場の米使用量は1年間で155万トンだった。これは同年の全米使用量808万トンの2割に相当する。近年は家庭での米消費量が少なくなってきており、中食・外食での消費が全体の1/3(外食14%、中食19%)を占めるという農林水産省のデータもある。
第1回:米は契約栽培の時代に?拡大する米の中食・外食市場
第2回:寿司、カレー、おにぎり、、、用途別品種&生産者集う
プロユース米専門の展示会が開催
昔は家庭での米消費が大きな存在感を持っていた。けれども、現在は核家族化や高齢化、単身世帯の増加によって米の消費構造が以前とは大きく変わりつつある。そんな時代背景を反映した国産米の展示商談会「プロ米EXPO2015~プロユース国産米展示商談会~」が11月24日に浅草で開催された。
当日は全国から計30の企業、生産者が出展した。
用途やメニューに合わせて改良されたプロユース米専門の展示会には、全国から30団体が出展。他にも、先進的な農業経営をしている企業によるセミナー、寿司やカレーなどに特化した米の食べ比べコーナーも開催された。
これから求められるのは用途別、メニュー別の米
中食・外食のマーケットが拡大すれば、企業からのニーズも増えるだろう。企業が求めているのは安定的な供給と価格。そして、おにぎりや寿司、カレー、丼物など無数にある食品に適した米の品種。
たとえばコンビニのおにぎりなら「冷めてもおいしく食べられる」、寿司なら「適度な粘りでほぐれやすい」といった具合にメニューごとに求められる米質も変わってくる。今後は、企業のニーズに合った米を供給してくれる生産者との契約栽培が増えてくると思われる。
品種の食べ比べコーナーには多くの人が行列を作った。
課題もあるがメリットも大きい契約栽培
継続的な契約栽培を実現するには課題もある。契約栽培では欠品が許されないため、最適な作付計画が必要となる。コストを下げ効率化を進めるための栽培技術を導入するなど、生産者側の変化も必要。けれども、生産者と企業が数年というスパンで契約することは、相場の影響を受けにくい安定的な経営が可能になる。経営が安定すれば雇用も安定する。
企業と生産者が一体で新しい価値を作り出すことは、これからの農業に必要な取り組みといえるだろう。今後、契約栽培によるプロユース米のマーケットは大きくなると思われる。「プロ米EXPO2015~プロユース国産米展示商談会~」のイベントレポ、セミナー報告は次回以降にお届けするので、みなさんお楽しみに。