「TPPはマイナスの影響」 農林水産関連企業の6割超が懸念
帝国データバンクが行った「TPP に関する企業の意識調査」によると、64.5%の企業が日本に必要と認識していることがわかった(有効回答企業数は10,547社)。しかしながら、農林水産業の事業者は、6割超がマイナスの影響と答えた。
「日本にとっての必要性」という質問には、64.5%の企業が「必要」と答えている。一方、「自社の業界にとっての必要性」で「必要」と答えた企業は29.7%にとどまる。5年前の同調査における38.3%と比べると大きく減少。
「自社への影響」では、「プラス」16.3%、「マイナス」7.3%、「影響はない」37.9%、「わからない」38.5%となった。未だ、TPPがどのような影響を与えるのか判断しかねている企業が多いことが判明した。
TPPが与える具体的な影響について
けれども、業界別に見ると話は変わってくる。以下が「プラスの影響」と「マイナスの影響」の上位3業種となった。
「プラスの影響」
・飲食店(47.2%)
・家具類小売(33.3%)
・旅館・ホテル(29.7%)
「マイナスの影響」
・農林水産(65.6%)
・医薬品・日用雑貨品小売(22.2%)
・飲食料品卸売(19.0%)
また、「TPPが与える具体的な影響」については以下のとおり。
「TPPが与えるプラスの影響」
・原材料コストの低下(38.9%)
・輸出の増加(32.9%)
・売り上げや利益の増加(30.5%)
「TPPが与えるマイナスの影響」
・販売価格の低下(27.9%)
・新規参入の増加による競争の激化(23.0%)
・売り上げや利益の減少(19.0%)
5割以上の農林水産関連企業がTPP対策を検討
TPPへの対応は企業の81.1%が「検討していない」こともわかった。しかし、農林水産業に絞ると、54.1%の企業が何らかの対応策を検討している。全業種の企業が取っている具体的な対策は「TPP関連情報の収集」(57.2%)、「売り上げや収益への影響分析」(42.3%)、「海外販路の開発・拡大の方法」(32.6%)などが挙げられる。
64.5%の企業が日本に必要と答えながらも、全体で見ると対応についてはまだ手探りの状態といえそうだ。農林水産業のTPPへの対応の早さが際立つ結果となった。
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