みなべ・田辺の梅が世界農業遺産に認定
12月15日、国連食糧農業機関(FAO)の国際会議がローマで開かれた。世界農業遺産として和歌山の「みなべ・田辺の梅システム」、岐阜の「清流長良川の鮎」、宮崎の「高千穂郷・椎葉山の山間地農林業」が認定された。日本の世界農業遺産は全8地域となった。
梅を中心に、人々の生活と自然を守るシステム
和歌山県みなべ町と田辺市は、全国の梅の5割を生産する「日本一の梅の里」として知られている。「みなべ・田辺の梅システム」は、養分に乏しい礫質土の斜面で高品質の梅を持続的に生産する体系を確立している。
里山の斜面を梅林として利用し、その周辺にウバメガシなどの薪炭林を残すことで水源涵養や崩落防止の機能をもたせている。また、薪炭林のニホンミツバチと梅の共生を実現するなど、地域資源の梅を中心とした農業を数百年にわたり続けてきた。
岐阜と宮崎からも二件が認定
「清流長良川の鮎」は、鵜飼いや美濃和紙などの伝統文化、住民の清掃活動により長良川の清流が守られているとして認定された。里山、里海と同じく、川を中心とした地域住民の生活圏を表す「里川」という言葉を生み出した。
また、焼き畑農業や棚田の米作り、神楽などの伝統文化が続く「高千穂郷・椎葉山の山間地農林業」も認定された。
参考URL
みなべ・田辺の梅システムが世界農業遺産に認定(紀伊民報)-Yahoo!ニュース