生活困窮者に食料を無償提供 「フードバンク」活動の全国組織が誕生
貧困家庭やホームレスに食料品を無償で提供する「フードバンク」活動。新潟、秋田、高知など各地で活動を続けるNPO法人など11の団体が、全国組織を立ち上げた。全国規模で情報交換や普及活動をすることで、より多くの人たちにフードバンクの存在を知ってもらうことが狙いだ。
全国組織で運営ノウハウを共有
「フードバンク山梨」が中心となり全国11の団体が参画する。運営資金やボランティア人員の確保、食品を提供してくれる企業とのコネクションの開拓などのノウハウを共有する。多くの団体は寄付や補助金で成り立っているため、資金の確保や企業、生産者の協力は欠かせない。
生活保護の世帯数は依然として高水準だ。内閣府も今回の全国組織をサポートし、全国での活動底上げ、団体のない地域での受け皿づくりなどを目指す。
個人や施設、食事を必要とする人たちを助ける
フードバンクとはパッケージに傷があったり、サイズが不均等だったりなどの理由で販売されなかった商品を無償で配る活動。母子家庭や独居老人、ホームレス、福祉施設などを対象にしている。
厚生労働省によると18歳未満の6人に1人が貧困状態にあるという。フードバンクかわさきは約100世帯、200人を支援。企業や個人から寄付してもらったレトルト食品、サバの缶詰、キャベツなどを無償で届けている。
欧米の多くの国では、食料を提供する企業は税制が優遇される。廃棄されるはずだった食料を無駄にせず、必要とする人たちに届けるフードバンク。貧困率、食料廃棄率の高い日本において、フードバンクの活動はまだまだ多くの人に必要とされている。
参考URL
東京新聞:困窮家庭に「フードバンク」 年の瀬切迫 子ども救え:社会(TOKYO Web)