目指せ「3K」…農業人口激減でも元気な理由
日本の農業就業人口(※1)の平均年齢は66.3歳。農家の半分は後継者がいない――。「農林業センサス2015」が明らかにした数字を見る限り、日本の農業はお先真っ暗だ。農林水産省が今年6月末に発表した今年度の「農業構造動態調査」では、農業就業人口は200万人を割りこんでいた。1965年には1151万人だったのが、半世紀のうちに約6分の1になった計算だ。
しかし、農業の現状を詳しく探っていくと、明るい光も差してくる。
「農業経営体」(※2)という括りで見ると、日本にはそれが約138万ある。上記のセンサスによれば、そのうち農産物の販売額が5000万円以上あるのは1%にすぎない。ところが、大泉一貫・宮城大学名誉教授の分析では、このわずか1%の農業経営体が、日本の農業産出額全体の3割にあたる約2兆5000億円を稼ぎ出しているのだ。こうした経営体の比率があと1%増えれば、日本の農業産出額の6割を担うことができるという。 (続きを読む)