農業新時代を拓く協同の力 JAは地域の母胎

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漸く9月末日、久々の晴れ間が訪れる。朝露を宿した庭のコスモスがきれいだ。見れば奥羽の屋根を包む青空と雲の形は、すっかり秋の遠景に変っていた。足元から広がる黄金色の稲田に安堵し、私は朝日に誘われるように山裾の畑へと軽トラを走らせた。秋の野を行くほど、その風景の変貌にがく然とする。標高300mの中山間地の田んぼは、虫喰い状に放棄されて原野化が進む。葦、芒、柳、潅木へと一気に被われてしまう。ただ、牧草やそば畑で農用地を維持している所は、辛うじて救われる思いだ。けれど戦後の農地解放と食料増産の気概に燃えた往時の美観は消えてしまった。農家の高齢化と担い手不足が、風景の衰退につながったのである。路傍に立つ「熊出没中。注意」という幟(のぼり)が、人と野生動物の棲み分けがうまくいかない象徴のようにはためく。ちなみに、わが家の耕作地も一頃の半分(170a)に減らしていた。豪雪で潰れたぶどう園の跡地や、私の就農時に開田した所は、近くの2戸の酪農家に委託し、牧草地として活かされているのだが。(続きを読む)



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