農地バンクの活用実績に応じた予算優遇措置 「経営体育成支援事業」の採択が有利に
農地バンクでの実績上位の都道府県に対する予算優遇措置が明らかになったと日本農業新聞が報じた。「新規集積面積」などを点数化して得点が高いほど、農機や施設の導入を補助する「経営体育成支援事業」の採択を有利にする。
これまで同事業の予算配分は、バンクの活用度合いは考慮されていなかった。今後は農地バンクの活用実績に応じた点数も加味される。
バンクの活用実績は、①担い手が高齢農家らから集積した面積(新規集積面積)②担い手間の貸借も含めた全ての集積面積――について、それぞれ15年度と14、15年度の2年間の実績(計4項目)ごとに点数を付ける。
(日本農業新聞「活用実績で優遇措置 都道府県の事業に予算 北陸、東北 厚く 農地集積バンク」より引用)
点数の上位11県は福井、石川、山形、岩手、富山、秋田、岐阜、滋賀、宮城、新潟、広島となった。福井は全項目で実績がトップ。北陸や東北の米主産地が上位になった。農水省は、集落営農が盛んな地域、平場の水田地帯で集積が進んだと見ている。一方、13都府県は、バンクの実績点がゼロ。新規集積が難しい中山間地域や樹園地の多い県が目立つ。
2015年度の農地バンクの実績は7.7万ヘクタールで、14年度よりも約3倍増加した。バンクを通さない面積も含めて、担い手の農地利用面積は8万ヘクタールだったが、年間14万ヘクタールという政府目標の6割にとどまっている。今回の優遇はバンクの利用促進が狙いだが、新規集積が難しい中山間地域などでは不利になる懸念もある。