農産物の海外PR費を農家が負担するチェック・オフ制度 農水省が導入を検討
農産物の海外向けPR費を農家から集める新制度を農水省が検討している、とNHKが報じた。海外向けのテレビ広告やイベントなど、PR費の一部を農家から拠出金の形で集める。
農水省が検討しているのは「チェック・オフ」と呼ばれる制度。生産者団体みずからの予算を使うよりも、農家から広く集めたほうが公平で効率的だとしている。同制度はアメリカ、カナダ、オーストラリアなどで導入されている。
オーストラリアでは、牛肉や小麦、それにリンゴなど70品目以上で導入され、牛肉だけでも合わせて1億8000万オーストラリアドル(日本円でおよそ150億円)を集めて、イベントなどに使われているということです。
(NHKニュース「農産物の海外PR“農家が一部費用負担”検討」より引用)
チェック・オフの導入については、すでに2015年10月の時点でTPP対策として森山農相が提言している。なお、日本農業新聞によると、アメリカのチェック・オフ拠出金は牛肉1頭当たり1ドルの約110円、乳製品は生乳100ポンド(約45.4キロ)当たり15セントの約16.5円となっている。個々の金額は小さいが総額では、牛肉は8000万ドルの約88億円、乳製品では年間2億8800万ドルの約317億円に達する。(1ドル110円で計算)
過去にはJAも「米需給調整・需要拡大基金」として拠出金を集めたことがあるが、法制化はされていない。チェック・オフ導入には慎重な声もあり、農水省は海外事例や効果を検証して今年の秋に結論を出すと報じられている。