鹿の頭蓋骨がアート作品に? 獣害について考える
獣害について考えてもらうため、鹿の骨を使ったアート作品を制作する人物が岡山県美作市にいる。「LIFETERIOR(ライフテリア)」というブランドを立ち上げて活動するのは、同市の地域おこし協力隊の喜多村雄真氏。
まだまだ認知が少ない鳥獣による被害額
ブランドを立ち上げた目的は「鳥獣被害に苦労している地方の現状をアートで表現する」ため。昨年の美作市のニホンジカ捕獲頭数は約4900頭で日本一。農業被害額は約6000万円にも及ぶ。ジビエ料理の盛んな地域だが、角や頭蓋骨は使われることなく処分されていたという。
(引用:出町市場 Um!)
そんな現状を知った喜多村氏が、鹿の骨を地域資源として見出してアート作品に生まれ変わらせた。骨は処理施設や猟師から買い取り、カラフルなペイントを施しているのでインテリアとして違和感なく飾れる。
代表作は頭蓋骨と三角形を組み合わせたオブジェ。そのほかにも角のピアス、ネックレスなどを制作している。現在は主にフェイスブックを通して情報発信を行い、注文も受け付けている。価格は角で作ったブローチが1500円~、頭蓋骨のオブジェは15万円。
これまではただ捨てられていた骨や角に価値を見出して、アート作品としてリサイクルする。完成した作品は単なる見栄えのいいオブジェとしてだけでなく、「獣害について深く考えて欲しい」というメッセージも込められている。ここには地方を再生させるヒントがいろいろと隠れていそうだ。
参考URL
地方の窮状 都会へ発信 鹿の頭蓋骨をアート作品に(2015/10/10)-日本農業新聞
“ニホンジカの処理頭数日本一”の地域発、獣害を考えるアート作品 「LIFETERIOR」喜多村雄真-出町市場 Um!