A-FIVEの出資を活用してJAが進める6次化事例
6次産業化を支援する「農林漁業成長産業化ファンド(A-FIVE)」が設立されたのは2013年。JAグループは、農林中央金庫、JA共済連などが50億円、A-FIVEが50億円を出資した6次化ファンド「農林水産業協同組合ファンド(農林水産業投資事業有限責任組合)」を同年に設立している。今回はJAが関わっている6次化事例を紹介したい。
真空低温調理の加工工場を千葉県に設立
千葉県の「ピュアディッシュ」は地域の農産物を原料にして、真空低温調理で作られた加工食品を外食企業に提供している。農林水産業協同組合ファンドが6,000万円を出資して作られた会社である。
真空低温調理とはその名の通り、真空状態にして100度以下の低温で調理する手法のこと。低温で細胞膜が壊れないため素材の味が生き、真空で密閉することで無添加で調味料が少なくてすむメリットがある。
そして、質は問題なくても見た目の問題で破棄されていた規格外品も有効活用できる。また、全国の福祉施設には真空低温調理用の機器がそろっているので、福祉施設との連携も可能になる。
JA全農が仕掛ける「イノベーション」のゆくえ-ECOZZERIA 大手町・丸の内・有楽町サステイナブルポータル
県産の米をブランド化
石川県金沢市の「米心石川」は農林水産業協同組合ファンドから2億6,000万円の出資を2014年に受けている。同社はオリジナルのすし飯を開発、販売して石川県産米のブランド価値の向上、消費拡大を目指している。
出資を受け地元農畜産物の直売店を作り、販路の拡大を見込む。また、新しい生産者との連携や地域の雇用拡大も視野に入れ、県産の米を大々的PRしていく。
JA6次化ファンド 金沢の炊飯事業に出資-JAcom 農業協同組合新聞
農林水産業協同組合ファンドが出資をして一から会社を設立するケースもあれば、既存の会社に出資をするケースもある。A-FIVEも、JAが中心となった地域ぐるみの6次化を支援する意向がある。今後も同様の案件は増えてくるだろう。